あなたは転職できない
「あなたは転職できない」これは俺が某ハローワークで言われた言葉だ。
でも俺は30代で転職できた。
30代での転職は、リスクが高いと言われている。
俺の転職も失敗するはずだった。
でも、ちょっとしたことがキッカケで転職に成功し、こんなこともあるんだという意味で伝えてみたい。
むかしの俺
30代の仲間入りをした直後で、仕事は製造業だった。
手取りは18万円弱。
8年勤めて給料が上がったのは、引っ越したときの交通費だけ。
ボーナスも不安定。良ければ15万円。悪ければ2万円。
しかも今は円安の影響で会社の経営が厳しいらしく、
「今年のボーナスは無いかもしれない」と朝礼のとき社長から話があった。
今が最悪の状態だと思いたいが、業界が衰退期に入っていて今後よくなることはないだろう。
俺の生涯収入は?
あまり考えたくなかったのだが、この先いくら稼げるのか計算してみた。
給料が増えない想定かつ、今の会社に定年まであと30年勤めた生涯収入だ。
その結果が約7000万円。
だがこれが現実だ。
しかもこのまま不況な業界の会社にいれば、さらに金額は減るだろう。
今の会社に一生をつくして貰えるお金がたったの7000万円。
一般的な男性は2億稼ぐそうだが、遠く及ばない。
家やマンションを買えば、間違いなくローン地獄になるだろう。
しかも「10年後に会社が存続しているのか?」と聞かれれば、倒産している可能性が高いと言わざるをえない。
もし存続していたとしても、クビになっている可能性が高いだろう。
将来に関しては「希望」ではなく「不安」しかない。
まさに底辺。
底辺で終わりたくない
このまま今の会社で踏んばる道もある。
ただ倒産やリストラの可能性がかなり高く、40歳で転職なんて恐ろしくて考えられない。
何のスキルも持っていない自分は、警備員か土方のアルバイトしかないだろう。
だから俺は転職を考えるようになった。
職種はプログラマーだ。
製造業からプログラマーなんて畑違いもいいところだろう。
だがそれでもいい。
俺はやってやる。
やってみせる!
ハローワークという希望
俺は仕事帰りにハローワークに通った。
そのハローワークは、サラリーマンのために木曜日だけ19時まで時間延長していたからだ。
でもその時間はサラリーマンでごった返し、いつも駐車場と相談窓口が渋滞して人で溢れていた。
「283番の方」
俺は3週間目でようやく相談窓口まで辿り着く。
収入を上げたいこと、プログラマーになりたいことを担当者に伝えた。
だがそこで聞かされたのは「あなたに転職は難しいかもしれない」という一言だった。
これが現実なのだろう。
逆に今の職場でガンバルことを勧められる。
ある程度予想はしていたが、ハッキリ言われるとかなりグサっときた。
30代だから転職できないんじゃない
漠然とした迷いや不安があり転職できずにいた。
・いつ転職すればいいのか?
・どんな会社がいいのか?
・だれに相談したらいいのか?
・転職しても大丈夫なのか?
・そもそも転職できるのか?
転職を思い立ってから6ヶ月。
俺はネットで求人サイトを眺めてはため息をつくだけの生活を送ることになってしまう。
前進もしないが後退もしない生活だ。
いや。年を取った分だけ後退していたのかもしれない。
ハローワークでも、求人サイトでもない
俺は転職アドバイザーの無料相談に申込んだ。
俺は転職してもいいんだろうか・・・?
このモヤモヤを解消したいと思っていたからだ。
電話相談も受け付けているそうだが、直接相談を選んだ。
4日後、パーティションで仕切られた半個室でアドバイザーと面談することになる。
このアドバイザーの印象を一言でいえばムスカだ。
ただこのムスカはオシャベリだった。
アイスブレイクの雑談で「即採用?ウソ臭いよう」といったダジャレを織り交ぜるほどだ。
俺のコミュ力が足りなく、ダジャレをスルーしまくったことは反省している。
それから俺はムスカにこれまでの経緯と転職への迷い、不安を打ち明けた。
ムスカは話を聞き終えると、俺の不安に一つ一つ丁寧に答えてくれた。
転職のリスク、
転職しないリスク、
落ち目の職種、
これから伸びる職種、
定年までできる仕事、
定年までできない仕事、
1年後のこと、
5年後のこと、
10年後のこと、
20年後のこと、
30年後のこと、
転職までに何をすべきか、
転職までに何をしてはいけないか
ムスカは転職のプロだった。
一言ひと言がまさに目から鱗である。
ムスカの長年の経験と知識から絞り出されて凝縮された言葉は、俺の適性と業界動向を見定めて未来のキャリアパスを描き出し、まるでラピュタの飛行石のように俺の未来を光指していた。
俺の迷いは、このムスカとの面談で完全に無くなり、「転職モード」へと移行することになる。
俺は転職できたのか?
結論から言うと転職できた。
ムスカがピックアップしてくれた俺に合いそうな非公開求人とやらの面接5社受け、そのうちの2社から内定をもらえた。
そして今、転職してちょうど新人研修をうけている最中だ。
OJT形式の研修のため時間に追われながらやっているが、プログラマーという職業は自分が思った以上に自分に合っていた。
「物を作る」という仕事は楽しいもんだ。
俺の給料
期待していた給料はかなり上がった。
研修中だが、手取りで25万円ほどになる。
あと1ヵ月で本採用になれば、27万円になる計算だ。
30歳の平均からするとまだまだ低いのかもしれない。
だけど俺は満足している。
前職の18万円から9万円アップの27万円。
しかも会社の先輩(年下だが)に話を聞くとそれなりに昇給があり、その人は27歳で手取り30万円を超えているらしい。
諦めていた月収30万円が近くにある。
30万円を超えれば生涯収入2億円も現実味を帯びてくるだろう。
転職が成功したのかはまだわからない。
これからの俺の頑張り次第だろう。
でも前職よりは「希望」が持てるようになったのは間違いないのない事実だ。
※2016年4月追記
今年の昇給で月収30万越えを達成。。。泣
正確には手取りで32万円ほどになった。
感謝!
一歩を踏み出してよかった
俺の転職成功の要因は、間違いなくムスカだろう。
ムスカに会えなかったらリストラと倒産に怯え、不安と失望の中で何十年も働かなくてはいけなかった。
あの時もし転職アドバイザーに登録していなかったら・・・。
そのストーリーも十分に考えられる。
「アドバイザーに相談するのは気が引ける」
最初はそう思っていたから。
だけど俺は一歩を踏み出した。
それがすべてを変えてくれた。
そう考えると転職成功なんていうのは、一歩を踏み出すことが全てだったのかもしれない。
ムスカに聞いた30代の転職で失敗する3バカ
転職後、ムスカとサシで飲みに行くことになってしまった。
でも酒の席のムスカは、かなり毒を吐くなかなか面白いヤツだった。
そのとき聞いた30代で転職に失敗する話が面白かったので書いてみる。
1.相談しないヤツはバカ
転職するなら一度は誰かに相談しろ。
転職したいのに、転職できないヤツはかなり多い。
そのほとんどが一人で悩み続け、迷いや不安を大きくているから。
ずーっと、ずーっと悩み続けて、決心したときにはすでに時遅し。
転職は若ければ、若いほどいい。
若いほど良い求人があるし、失敗してもやり直しがきく。
1日迷えば1日分リスクが高くなるのを自覚すべき。
そのリスクを無くすには、悩みを誰かに相談して解決するのが一番楽だし手っ取り早い!
2.プロに相談しないヤツはバカ
人生を変えるような重要なことはプロに相談するのが鉄則。
例えばキミが痴漢の冤罪で逮捕されたら誰に相談する?
法律のプロである弁護士だろ?
転職なら転職のプロである転職アドバイザーに相談しろ!
3.畑を選ばないヤツはバカ
相談するならその道のプロを選べ。
プログラマーになりたいなら「IT専門の転職アドバイザーに」、
WEBデザイナーになりたいなら「クリエイティブ専門の転職アドバイザー」に、
整備士になりたいなら「エンジニア専門の転職アドバイザー」に相談しろ。
痴漢の冤罪で捕まってるのに、離婚調停の弁護士に依頼するか?
失敗したくないなら、その道を専門にしているプロを選んで相談しろ!
4.行動しないヤツはバカ
ムスカ「未経験だろうが、経験者だろうが何でもいい!」
ムスカ「転職したいんならサッサと連絡して恋!」
ムスカ「俺が何とかしてやる!」
ムスカ「20代、30代なら何とでもなる!」
専門アドバイザーの実力ランキング
転職に迷ってるんなら、取りあえず相談しては。
IT業界 No1
レバテック
IT業界最強の転職アドバイザー。
プログラマーやSE、PM、デザイナー、サーバエンジニア、ディレクターなどが対象。
ジャンルはWEB、SI、ゲーム、ソーシャル、アプリ、統計、UIなどIT業界のすべてを網羅している。
給料アップに力を入れているらしく「前職より少しでも高給に!」と頑張ってくれた。こんな俺でも月収32万円!
業界未経験でも独学で勉強さえしていれば、相談に乗ってくれるのもGOOD!
ただし対象エリアが狭く「関東、関西、東海エリア限定」というデメリットも・・・。IT転職なら一番オススメだが、この対象エリアの狭さだけが唯一のネック。
※コロナ禍以降、リモート求人も増えているそう
全国展開してくださいよレバテックさん・・・。
でもプログラマーが仕事を探すなら、間違いなく最強の転職サービス。
俺がお世話になったとこだし!
No2
リクルートエージェント
リクナビの強化版
リクナビに担当の転職エージェントが付いてくれるような感じだった。
結構がっつりサポートしてくれた。
自分の強み、弱みを分析してもらうカウンセリングも良い発見があった。
非公開求人と言われる、一般には出回らない求人もとても多かった印象。
俺は今回、縁が無かったがもしまた転職することがあれば、リクルートエージェントに登録すると思う。
エンジニア系は「関東、関西のみ」っていうエージェントが多い中、
リクルートエージェントは全国OKな点も◎
その他
TechClipsエージェント
良さそうだったが…
ここの強みは「エージェントが現役エンジニア」と噂で聞いた。
普段はエンジニアとして働きながら、エージェントとしても活動していると。
だからこそ、具体的なアドバイスが貰えるらしい。
これは良さそうだ。
そう思ったのだが、未経験者はNGだった。
登録したが、やんわり断られた。
チーン…。
【追記】その後の俺
2015年7月(約1年後)
俺がプログラマーに転職してから1年がたった。
その後の近況を報告したい。
まず。まだ辞めてない(笑)
バグ出して、直らなくて、納品できなくて、徹夜しまくって凹みまくったけど、バリバリ現役のプログラマーだ。
仕事はJavaのseasar2の開発チームに回され、自社のパッケージ製品を作っていた。そこで半年ほどもまれてから、受託チームでPythonを使ってECサイトの統計解析をプログラミングした。サポートベクターマシンや線形代数、ロジスティック回帰など意味不明だったが、難しい数式は専門の統計チームが仕様書を書いてくれた。でも最低限線形代数程度の数学を知らないと、仕様書すら読めたものじゃなく、結果としてバグを出しまくってしまい、納品に間に合わなかった。これはちょっとしたトラウマになったが、それからは数学を鬼のように勉強して、なんとか仕様書が読める程度までになった。
さて、ここから本題!
1年目の昇給で給料が29.5万円になった!
自分の頑張りが評価されるのはとてもうれしい。転職前の会社では考えられなかったことだ。夢の月30万がすぐそこにある。今のところはプログラマーに転職して間違ってなかったと思う。「30歳未経験でプログラマーになるなんてバカだ」と言われたが、それをバネにして頑張れたのも事実。
リスクを取り、頑張ってきて本当に良かったと思う。
今後の目標、実はフリーになりたいと思っている。
この世界はフリーランスで活躍する人が多い。
個人事業主とは言え、一国一城の主はやっぱりカッコイイ。
まだまだ遠い未来の話だけど、俺はこれからも努力を重ねていこうと思う!
2016年4月(約1年6か月後)
統計チームへの異動を申請したが却下されてしまった。
まだまだ実力不足という判断だろう。
いたしかたがない。
いま俺にできるのは、ただひたすらに学び吸収していくだけ。
seasar2の開発もだいぶ慣れてきた。
seasar2をカスタマイズした、社内フレームワークも先輩方に好評だった。
挫折に腐らず、このまま成長していきたい。
2016年9月(約2年後)
秋の給料査定で月収31万に!
ついに30万円を超えた!
夢が叶ったのだ!ビバ!
これからも頑張っていこうと思う!
2017年1月(約2年4か月後)
独学で色々学んでいる。
最近は分散処理プラットホームのHadoopを試用した。
今の仕事はビックデータを扱うことが多いからだ。
その結果「Hadoopは実用が難しい」と分かった。
正確に言えば「使えるプロジェクトがかなり限定される」からだ。
確かにHadoopは大規模なビックデータを扱うときにはとても有効だと思う。
でも超が付くくらいの大規模データ群の場合だ。
通常のビックデータであれば、サーバの分散程度で事足りる。
わざわざ複雑なHadoopを導入するメリットは無い。
またリアルタイム処理にHadoopは向いていなかった。
このご時世、バッチ処理にしか使えないシステムは用途をかなり限定してしまう。
とうことで、Hadoopは使えないと言う結論になった。
Hadoopを導入するプロジェクトが少ない理由が自分なりに解明できた。
2017年3月(約2年6か月後)
俺はフリーランスになった。
3年目をまじかに控え、上司や同僚、エージェントに相談の上、決断した。
会社には感謝しかない。
未経験だった俺を育ててくれた。
俺のわがままを聞いてくれ、温かく送り出してくれた。
本当に良い会社に巡り合えたと思う。
フリーランスの世界は自分の実力がものを言う。
もちろん不安もある。
だがプログラマーになった頃のワクワク感がまた戻ってきた。
俺なんかが、どこまでやれるのか試してみたい!
2017年9月(約3年後)
フリーになって約半年。
率直に言えばかなりヤバい状況だ。
仕事がない。
もちろんあるにはあるのだが、単発の小さな案件ばかりで、売上が安定しない。
収入面で言えば、サラリーマン時代を下回っている。
さらに税金、国保、年金、労働保険などの手続きでてんやわんやしている。
慣れない営業にも四苦八苦している。
仕事がないのに、お金が無いのに忙しい。
フリーランスを甘く見ていた。
何とかしなくては。
2018年1月(約3年4か月後)
フリーになって約1年。
3か月ほど前、俺はフリーランスの紹介会社に登録した。
そして今、某アプリのデータ解析を担当している。
収入はサラリーマン時代の3倍近い。
もちろん、ここから税金を引かれ、国保を払い、人材会社へのマージンも抜かれる。
それでも毎月ボーナスを貰っているような感覚だ。
「仕事がうまく回りだすと金銭感覚が狂う」とエージェントから注意されたが、これは確かに気を付けなければと思った。
とは言え、フリーランスは自分の頑張りがそのまま収入になる。これはかなり面白い。
ただフリーランスは、良いことばかりではない。
仕事を探したり、税金の支払いをしたり、保険の手続きをしたりは、フリーランス初心者には難しい。
だから俺は、個人事業主向けのエージェントを頼った。
もちろんマージンは抜かれるが、雑用を全て代行してくれる。営業をしてくれ、確定申告をやってくれ、煩雑な手続きをやってくれ、かなり助かっている。
何よりも仕事が途切れることなく紹介してもらえるのは、かなりデカい。
フリーと言えども生活が安定する。心も安定するし、集中力も増すし、いい仕事ができるようになり、良い循環ができている。
フリーランスになるなら、まずはエージェントに相談してみたらいい。
新米フリーランサーには必須だと思う。
それにエージェントは、こちらの実力が無さそうならハッキリ言ってくるため、「自分はフリーランスでやっていけるか?」が一発でわかる。
レバテックフリーランスは、月70万、80万といった高単価案件がゴロゴロとあり、オススメだ(俺も利用している)